むきしば雑貨店 は、現在準備中です。

2026/04/08 12:34

ぼくは、チワワ。

広場のすみで、みんなを見ているのが好きだ。

茶々丸は、いつもきれいに「おすわり」をしていた。

背すじをのばして、前足をぴたりとそろえて。

まるで、いい犬の見本みたいだった。

その日は、みんながあたらしいボールであそんでいた。

茶々丸の番がきた。

でも。

「茶々丸!もう一回やってもいい?」

だれかが聞いた。

茶々丸は、少しだけ間をあけてから言った。

「……いいよ」

ボールは、また遠くへ投げられた。

茶々丸は、まだ一度も投げていなかった。

ぼくは、見ていた。

茶々丸のしっぽが、すこしだけ止まったこと。

耳が、ぴくっと動いたこと。

それでも、茶々丸は、きれいにおすわりをしたままだった。

そのとき。

ムキっ。

眉間に皺ができた

顔が、むにっとゆがんだ。

きれいなおすわりのまま、ムキっとした顔。

茶々丸は、自分でもびっくりしていた。

しばらくして、茶々丸は、ゆっくり姿勢をくずした。

ぺたん。

背すじが、すこし丸くなる。

今までの「おすわり」じゃない。

とっても楽な座りかた。

茶々丸は、そのまま、ムキっとした顔で小さく言った。

「……ほんとは、やりたかったな」

風が、すこしだけやわらかくなった。

ぼくは思った。

ああ。

いま、はじめて茶々丸は自分のかたちで座ったんだ。


それが、むきしばのはじまり。

むきしばが生まれたばかりの頃のイラストを、
今のかたちにアレンジしてグッズにしました。

ステッカーやメガネ拭き、アクリルスタンドとして、
いつもの毎日の中で、そっと寄り添えたらうれしいです。